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愛がなんだのしのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

だいぶ前にちょこっとだけ見た時は主人公に何も共感ができなかったのだけど、今見たら主人公に感情移入しすぎて苦しかった あまりにも主人公が自分過ぎて、もう好きでもなんでもないよと嘘をついたり、好きになるところなんてなんもないはずなのにね、と言うシーンに身に覚えがありすぎて見ている時目を伏せたりしていた

好きになるところなんかなんもないはずなのになぜか離れられない
終盤にてるちゃんの田中守への感情はもう愛情でもない執着、と言っていたのが印象的
こういう恋愛をした事がある人は、もうこの苦しさを恋愛のドキドキと勘違いしてしまっているのだと思う そしてそれはもう恋ではない執着なのだ

ラストはいまだに私は田中守ではないという主人公の独白で終わる 
いまだに恋人ではない、からいまだに田中守ではない、という言葉に変わった辺りやはり自分にないものを持っていた田中守にてるちゃんは憧れと執着を抱いていたのだろう
てるちゃんがゾウの飼育員になるラストも結局田中守の影響を受けていて執着からその職業についたように思う

好きになる人、執着をしてしまう人は大体自分にないものを持っている人で、仲原のいってたような、仲原やてるちゃんと違って寂しさを感じない人
公園で仲原が、寂しい時に思い出してくれる存在でいいって思ってたけど、多分ああいう人達は寂しさを感じないんだよ、と言っていたシーンもすごく好き 本当にそうだから
その後の幸せになりたいっすね、という仲原の表情があまりにも切ない
だから仲原やてるちゃん、私側の寂しさを感じる人間は田中守やようこ側の人間に惹かれてしまう だけど好かれる事はない、そのジレンマが苦しい

好きになる人は遠くて自分とは違う人で幸せにしてくれる人は自分と近い人
自分を幸せにしてくれる人は自分が好きな人ではない
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