ハレルヤ

飛べない鳥と優しいキツネのハレルヤのレビュー・感想・評価

飛べない鳥と優しいキツネ(2018年製作の映画)
3.6
家庭では父親から暴力を振るわれ、学校ではイジメられている女子中学生のミレ。オンラインゲームの「ワンダーリング・ワールド」を現実逃避にしている彼女が、ゲームを通じて知り合った青年との交流で、自分を変えていく青春ドラマ。

1人の少女の繊細な心の揺れ動きを捉えた内容で、見終わった後も爽やかさが感じられるもの。オンラインゲーム内のファンタジー描写にイジメの実態にも踏み込んでいて見所はいくつもあります。

ただ個人的には思っていたほどグッと来なかった。それなりに良さはある作品ですが、全体的に単調気味で少し眠たさを感じたのも事実。

それでも登場人物のそれぞれキャラクターの作り込みはしっかりしていて、特にミレと知り合ったヒナは本作において大切な人物。彼も心に重荷を抱えているからこそ、他人の気持ちが分かるし、彼の存在がミレにとって新たに一歩を踏み出す大きなキッカケになります。

楽しかったとか面白かったとか、そういった感想のある映画ではありません。現代の学生が抱える悩みと葛藤を感じ取る作品だと思います。
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