minorufuku

飛べない鳥と優しいキツネのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

飛べない鳥と優しいキツネ(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

小説を書くのが好きなヒロインは家では父親にDVを受けており学校には友達もいない。ネットゲームだけが彼女の居場所だったが、突如ゲームの配信終了が決まる。意気消沈するヒロインはプレイヤー仲間が公園で着ぐるみのアルバイトをしていると知り、彼に会いに行く。そんな中、学校で友人となった子に裏切られ父親のエスカレートする暴力に絶望したヒロインは死を決意したことを公園の彼に告げる。彼は死ぬ前にやりたいことリストを書いてそれを実行しようとヒロインに提案するのだが......という話。ウェブ漫画が原作の韓国映画。

内向的で周囲との人間関係に苦しむヒロインの再生を描いた作品。鑑賞後静かな感動を味わえる良作。
悲惨な境遇のヒロインと公園の彼との関係性が心地よく、コミカルながらも悲しい物語に感情移入できた。やりたいことを二人で実行するシーンを通して彼の秘密が少しずつ分かってくる仕組みもうまかった。一見明るいキャラクターな公園の彼が抱える過去が重い。賛否あるかもしれないが、いじめっ子側の罪の意識を真正面から描いている点は好感がもてた。せっかくできた友人に裏切られるヒロインが終盤その友人を助ける展開も感動的だったし、余韻の残る終わり方も良かった。演出面に少し難のあるところも散見されたが、全体的に優しさが溢れている映画だった。

ヒロイン役の子は「哭声」の子役の人なのね。すっかり成長しててびっくり。
minorufuku

minorufuku