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THE GUILTY/ギルティのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

緊急通報司令室での通話のみで物語が展開する。まるで演劇である。しかしアスガーの緊迫した表情や焦燥感をカメラがアップで追っている点にこの映画の魅力があるので、映画である必然性はあった。

アスガーが自分の罪を告白したのは、「蛇が赤ん坊のお腹にいる」と泣き止まない赤ん坊を殺したイーベル(精神疾患を患う)には責任能力がないが、自分にはある」と自覚したからではないか。タイトルの"Guilty"(「有罪」)にはその意味があると思う。

電話での通話とPC上の地図のみでミゲル、イーベル、マチルダ、オリバーの状況をまざまざと想像させる作劇は巧みである。

開始1時間でイーベルがオリバーを殺めたことにアスガーが気付き、終了10分ほど前にアスガーが自身の罪を告白する。見事な起承転結であった。

並の製作陣だったら、アスガーの妻を出したり19歳の若者を射殺した場面を入れる。すごい胆力の映画である。ジェイク・ギレンホール主演でハリウッド映画化されるらしいが、指令室以外のシーンを入れたり、指令室が『24』くらい派手になっているのではないか。下手したらアスガーが自らミゲルの家に乗り込むくらいはするかもしれない。指令室だけで展開させる大胆さと根性を見せてほしいものである。

追記: 予告編を確認したらリメイクはNetflix製作だった。ドラマと映画の中間くらいの規模感で作品を乱発しているNetflixなら、オリジナルに忠実に映画化してそう。
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