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ハロウィンのSY3KRのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
4.0
脚本家・プロデューサーとして数多くの作品に携わってきたデヴィット・ゴードン・グリーン監督が、あの伝説的ホラー『ハロウィン』を正当な続編としてリブートさせた。

まず、主演のローリーとマイケルに当時のキャストであるジェイミー・リー・カーティスとニック・キャッスルを起用しており、これは最高のファンサービスだろう。単に昔懐かしのキャスティングにしているのではなく、「20年」という年月の経過にしっかり意味を持たせているところが心憎い。

未だに過去の恐怖に囚われながら暮らすローリーの姿は衝撃的で、彼女はこの物語における求心力の役割を見事に果たしている。マイケルの初登場シーンにもオマージュが捧げられているのだが、その後も何度かオリジナルを彷彿とさせる演出がなされ、かつてのファンはニヤリとせざるを得ない。

また、今回の3部作はスターウォーズよろしく、ローリーとマイケルの「後継者探し」の物語でもある。自らの手でマイケルを葬るという使命をドラマチックに綴るだけではなく、その執念が娘のカレンや孫娘のアリソンへと受け継がれていく。彼女たちが非道な殺人鬼へ一矢報いる終盤は、単純に胸がすく思いだ。

一方でマイケルも黙ってはいない。彼自身は何ら意図していなかったが、マイケルの殺人衝動は意外な形で周囲の人間に影響を及ぼし、第二・第三の殺人鬼を目覚めさせた。この問題は2作目以降にも続いていき、血縁から始まった因縁の対決は、その血を受け継いだ者同士の闘いへと発展していく。

その結果が気になる方は本作から始まる続編『ハロウィン KILLS』と『ハロウィン THE END』もチェックしてみてほしい。旧シリーズと同様にガッカリする結果になるかもしれないが…。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:79%
・観客支持率 :71%
「本作は、年々高まっていく過去の神話には目もくれず、素材の基本と効力を活用することで、何十年と我々を失望させてきた続編を一切なかったことにして見せた。」
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