『シャイニング』で命からがら逃げた母と息子(ダニー)のその後の話
ダニーは、人との関わりを避けていたが、年を重ねても弱まらない特別な力“シャイニング(霊を知覚する力)“の使い方を善良な霊に指南してもらうようになる
次第に肉親とも距離を置くようになったダニーは、酒に溺れることでシャイニングを鈍らせることを知り、依存症になりながらその日暮らしのおじさんになる
そんなおじさんダニーが、人のために力を使いトラウマと向き合っていく
.....が、正直そんな話じゃない
大筋が全然シャイニング関係ないし
シャイニング要素いらなくない?
いろんな要素詰め込みすぎて闇鍋状態
シャイニング好きなので期待値高かったせいもあるけどシャイニングの良さが無さすぎてめちゃくちゃ残念だったので以下ネタバレで感想書く
---以下ネタバレ---
『シャイニング』で、ダニーのお母さんは
精神的に追い込まれながらも息子のために戦って守った。
それなのに今作のダニーの自堕落な様子はなに?なんでこうなるの?それだけでも謎なのに、アル中のダニーがなんで再起を図ろうとしたのか?そこの描写がほぼない。
シャイニングホテルの霊たちは別に生気を吸うタイプの霊ではないだろ。
彼らはあの場所に住み着く地縛霊的な存在で、しかも人間の弱い精神につけ込んで自分たちの世界に引き摺り込む陰湿なタイプの霊なのであって、生気を吸い上げる掃除機ではない。
彼らの陰湿さは、血のエレベーターや幻惑のお風呂お姉さんやバーテンで、少しずつ正常な判断力を奪って取り込むところにある。
何度も言うが生気を吸い上げる掃除機ではない。
炎で浄化はされない。
あれだけの巨大な霊の集合体と穢れは、建物が燃えたくらいで浄化はされない。
翻訳のニュアンスミスと思いたいけど、なぜあそこ「浄化」と訳したんだろ?浄化されたのならラストでお風呂場お姉さんがアブラの所に来るのはおかしいだろ。
この映画の気に食わないところは、シャイニングを使ったところ全般。
シャイニングいらなかったと思う。シャイニング要素なくても、生気を吸う謎集団と戦うアブラだけで充分面白かったと思う。
アブラのチートな超能力をもっとかっこよくメインにすれば良かったと思う。
あんなに強気だったアブラがシャイニングホテルに行ってダニーに守られる存在になった途端めっちゃ弱くなったのも謎だった。
謎に思った点は他にもある。
ダニーをはじめ、父と母も『シャイニング』のキャストとは別人で演じさせているのに
なぜ途中で『シャイニング』の映像をはさんだ?今作の母役の立つ瀬ないだろ。
これこれ!ここの場面だよ〜!って視聴者に明確に知らしめなきゃいけなかったか?
製作者の意図がことごとく気に食わない。
『シャイニング』は不気味で、静かな狂気がそこかしこに潜んでいて、もはや幻想的に感じるまであった。
今作はホラーというよりSF映画だし、シャイニングの名を使ってるくせにこの体たらく。許せん。シャイニングに謝れ。
ただ、母役父役の俳優さんたちは話し方や仕草が『シャイニング』に似せるよう演じていてめっちゃ良かった。
視聴後残念な気持ちになりすぎて
なかなかレビューする気にならなかった。