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僕はイエス様が嫌いのryoのネタバレレビュー・内容・結末

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公は決して観客の視点や代弁者ではなく、カメラは主人公との間に(心理的な)距離があり、現象的にしか理解できないように演出されている。
(奇跡と現実の境界が主人公にしか分からない)

白百合(無垢の象徴)と青い花のシーンが良かった。

「何も無いのに一緒に見えてるフリをしたのは楽しかった」このセリフには少年が信仰の(ポジティブな)本質に一瞬触れた実感であるのと同時に、信仰を徹底的に冷笑して切り捨てたセリフでもあるように感じた。この矛盾が少年が感じた等身大の、信仰と呼ばれるもの(そしてその中で生きる人々)の全てだったのではないかと思う。

ラストに少年は障子の穴から「最良の日」を見る。その景色には奇跡も祈りもない。

カメラ(カットの美しさ)が大いに物を言う作品だが、監督がその撮影まで担当しているのが凄い。
面白かった。
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