岬の兄妹のらぱしおんのレビュー・感想・評価

主人公の兄妹を覆い隠そうとする貧困という名の不気味な狂気。それをギリギリのところでこちら側に踏みとどまらせているのは、肇ちゃんのような、本当に些細な些細な周囲の人間の良心なんだ。たくさんじゃなくていいんだ。それがほんのちょっぴりでもあれば世界は救われる。

マックを貪り食いながらダンボールをガシガシはがす場面は、本当に感動した。きついきつい映画だけど、それでもそこにある種の人間の生に対する強かさがにじみ出いていて、いい映画だったと思う。