※犬を愛する民は観ない方が良いかも
※ゆるゆるネタバレあり
「未成年裁判」で部長役を演じたイ・ソンミンが主演とのことで、ジャケ写で選んだ。ジャケ写とは言わんか、サムネイルか。
主人公は最近郊外に家を買った男。深夜遅くに家に帰ってきたその日、マンションの敷地内を悲鳴をあげて走り回る女性を発見。そしてその女性が殺されるところを偶然にも目撃してしまう。
映画の初めに手足を縛られた女性が車に乗せられて山奥に運ばれるシーンがあった為、てっきりド田舎の山かと思ったら思いの外近くに集合住宅(主人公の住むマンション)があって驚いた。人を殺して埋めるならもう少し場所考えな?
犯人と目が合った(?)からと頑なに警察に連絡もせず協力もしない主人公、何故。もし早々に呼んでいたら被害者助かったのでは?なので、最初から既に胸くそ悪い。
俺は関係ねえぜと堂々としているならまだしも、主人公が全力でキョドキョドしているので、さっさと通報して、犯人に顔を見られたかもしれんからと伝えてから被害がこちらに及ばない形で協力してら良いのにって思ってしまった。
偶然にも自分以外に目撃したって人が現れてくれたってのに、それでもなお「私は見てない!」と頑として譲らぬ主人公が不思議だった。私だったら仲間がいてよかった!と安心感すら覚えて共に警察へ向かうけどなあ。結果的に詰むの、なんかもう…ううーん。
イ・ソンミンのおどおどしつつ右往左往しながら犯人と対峙する演技は良かった。家族を守ろうと必死なんだろうけど、そのやり方は間違えてるぞとしか言えんかった。犯人庇って大団円!なんて有り得んもんな。
まずは飼い犬のピッピを(おそらく)人質として捕らえたであろう犯人が、いよいよ主人公の家族の顔を覚えたタイミングで犬を返してくるの、あまりにも知能犯。犬では生ぬるい、次はどいつにしてやろうか…と暗に脅してくる感じ良き。
しかしまぁこのマンションの住民みんな程度が低くて嫌な感じ。マンションの価値が下がったらどうしてくれるの!?の本音を隠しつつ、臭いものには蓋をするとばかりに行動する。こういう人ほど自分が困った時には助けろ助けろって騒ぎ立てるんだろうな。
この主人公にイライラするの、刑事が必死になって捜査するという相対する描き方があるからなのかも。他人事として見ているせいで主人公にむかっ腹が立つんだけど、信用されていない警察・刑事にも根強い問題があるのかもしれないので一概に主人公を責めきることも出来んかった。
日本でも「人が死んでから本番ですよー」とばかりに警察が介入できない問題もあるし、私自身も助け求めて勇気出して交番行ったとき「出来ることはほぼないっすね、パトロール強化しまーす」みたいな対応をされたため、なんか相談に行った私が馬鹿みたいって思ったことある。故に警察が助けを求めてきた時に素直に答えられるかって言ったら、ちょっと首傾げるな。良くないことだけど、どうせお前らは助けてくれないくせに…って思ってしまう気持ち、ほんのり分かる。
捜査協力するんだから当然こちらの身の安全の保護くらいしてくれて当然だろと思いきやそんなことなく、現実の韓国警察がどうなのか知らんけどリアルでもこんなだったら、そりゃあ協力なんてしたくないよなって思ってしまった。
犯人がめちゃくちゃアクティブ。俺の顔を見た奴は絶対に生きて返さんタイプの激悪男なのでハンマー片手にすぐやってくる。さらには噛ませ犬的な犯人(?)も現れてしっちゃかめっちゃか。
この犯人、肉に手を出しやがったので私の中では「極刑に処す」の判決を出した。簡単には死なせてやらねえから覚悟しておけ。
結果的に主人公の奥様が大優勝。ほんとあんたよく頑張ったよ、ドア開けた時は流石に馬鹿か?と思ったけどめっちゃ頑張ってた。ハンマー持った男が女性と子供を襲ってる場に出くわしたらどうするのが正解なんだろ…
にしても、だ!結局、主人公と犯人が殴り合うのを見て、警察は今どこで何してん?の一言でしかなかった。主人公宅に寄越す刑事の部下も丸腰の和解のひとりって…あんまりだよ。
土砂崩れは伏線回収のようで良かった。唐突感あったけども。にして犯人、クソだな。最初の女の子をなぜ殺したのかはハッキリしなかったけど、犯人の犯罪歴がまぁ酷そうでたまげた。一体お前は何人の人を…。
ラストシーン、人が人に対してどれだけ無関心かがわかる終わり方でなんか、なんか…。外で助けてくれー!って声が聞こえたら私はとりあえずこっそりカーテンの隙間から覗くくらいの関心ある人間でいたいと思った。おわり!