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オーヴァーロードのSY3KRのレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
2.5
オーストラリア出身のジュリアス・エイヴァリー監督が撮影したホラー映画。プロデューサーにJ・J・エイブラムスが参加していることでも話題となった。

本作の制作費は3800万ドル程度でかなりの低予算なのだが、後半で登場するナチスの作り上げたモンスターの醜悪さは見事である。極秘施設のセットも都市伝説に出てきそうな怪しさ満載で、この手のジャンルが好きな方は一見に値する。実際にイギリスの駐留地をロケ地として借りたらしく、臨場感はなかなかのものだ。

生き残った登場人物たちも個性豊かで飽きさせない。カート・ラッセルの長男であるワイアット・ラッセルは、ワイルドでカリスマ性あふれるリーダー、フォード伍長を好演した。紅一点ながら抜群のビジュアルと男勝りな性格のクロエを演じたマチルド・オリヴィエは本作のMVPと言っていいだろう。対して主人公のボイスはやや地味で、あまり存在感を発揮できなかったのが惜しまれる。

ストーリーはナチスドイツが極秘人体実験をしていたというB級ホラーのド定番で、予算を節約するために外ロケが圧倒的に抑えられているところまでアルバトロス・トランスフォーマー社の作品にそっくりだ。しかし、やはりこれが大きく足を引っ張っており、見せ場まで時間をかけ過ぎている。まさか1時間近くも民家での立てこもりを見せられるとは思わなかった。

戦争映画と思わせB級ホラーへとツイストした試みは面白いし、それを大きな欠点もなく成り立たせているのは見事だ。ただし、総じて頭抜けたものはなく、よくあるB級映画の域は出ていないように感じた。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:82%
・観客支持率 :67%
「本作は歴史を修正する戦争ドラマ・ゾンビスリラー・ゴアなど、様々なジャンルのB級映画ファンに、A級の楽しさを提供している。」
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