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ナイチンゲールのryodanのレビュー・感想・評価

ナイチンゲール(2019年製作の映画)
4.7
好みがはっきり分かれそうな作品。復讐モノとして見てたら、だんだん様相が違ってきて。。。ただこの作品には、ここで描かれている長い長い道中がかなり重要な役割があって、復讐には復讐だけど、殺されるべき男の所業=殺してもOKという公式に当てはめず、殺されるべき男の数々の所業を見せておいて、なおもこの男は懲りずに同じことをしていたら、殺してもOKという公式にしておきつつ、この男だけが特段に極悪非道な訳でなく、この地に入植してきたほとんどが極悪非道なのだと、道すがら見せてくれる。そこが後半になってアボリジニの視点に変わり、一気に復讐の意味合いがもう一段どす黒くなる。ここまでくるともはやナイチンゲールさえ、侵略者の一部だと言わんばかりに。その帳尻合わせがラストの砂浜になるんだろう。お互いに、こんなはずじゃなかった、したくてしたんじゃなかった、出来ればあの頃のあの場所へ戻りたいと。
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