てっぺんハゲ

ジョーカーのてっぺんハゲのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.6
 かつてこれほどまで一人のマンガキャラクターに焦点を当てその内面を深く描いた作品があっただろうか?アーサー・フレックと観客は、上映時間のほとんど全てを共に過ごし、彼の変貌を否が応でも濃密に見せつけられる。故に肝となるホアキン・フェニックスの演技は、アカデミー主演賞も納得の出来。役作りもさることながら悲哀と狂気を内包した眼光を放つジョーカーは、彼にしかできないまさにハマり役。
 現実と妄想の明示度、時系列、のし上がる様、全ての塩梅が絶妙。破綻無し、中だるみ無し、無駄な場面無しで、全部のピースが綺麗にはまったパズルのごとく完璧な脚本は見事と言う他ない。音楽の入れ方も非常に効果的。ただし鑑賞時のメンタルによっては退屈な作品に成り下がる可能性あり。
期待値3.5
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