「運び屋」
いや、イーストウッド監督って本当に何でも出来ちゃう人だな…。歳を重ねてもなお、というか歳を重ねたからこそまた新しい作品が作れるんだろうな。
想像していたものよりずっとキャッチーというか重苦しくなく、青春映画の様な、ロードムービーの様なそんな作品でした。彼がやっていることが犯罪であることに間違いはないんだけれど、なのにあの爽やかさはいったい何なんだろう。そりゃあマフィア達も笑っちゃうよね。
家族を顧みず、仕事だけをしてきた彼に、最後に残ったものはそれでも家族だったんだなと。そう考えると仕事って何だろうとも思う。彼が心血注いでいたものや、そこで出会った人たちは彼にとって大切であったはずだと思うけど、それと同時に虚しさも感じていたんじゃないか。
お金があったとしても、それを使って好きなことができる自由があったとしても、結局のところ人間は誰かや何かを愛せずにはいられないんだなぁと思う。彼が自由と引き換えに取り戻したのが家族と花への愛だった様に。
そしてちょいちょい出てくるブラッドリー…クーパーがやっぱりカッコよかったな。良い映画でした。