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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のYOKのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

えーん、全シリーズ観たいけど時間がないよー!ってことで、YouTube「ツッチのムビログ」様で全ての作品(全5作品)のお晒いし、時間があったので「ジュラシックワールド炎の王国」を鑑賞して、これから隕石ぶっ壊しに行くアルマゲドンメンバーのように勇ましく映画館に向かった。我、無敵モード。

今作でワールドは3作目にしてラスト。本当に終わるんか?またキャスト変えてやるんとちゃうん?という気持ちはありつつも、クリプラ演じるオーウェンが主人公で描かれるのは最後なので観る前はとてもワクワクした。

昨今流行り(?)の、ラストだよ!全員集合!の例に漏れず今作もレジェンドが多数出演。マルコム氏に関しては主人公らと関わってなくとも前作出ていたけど、ついにアランとエリーが参戦。当たり前にウー博士もいる。こいつはホント...いい加減懲りてくれ...。

世界に放たれてしまったとはいえ一部の恐竜は管理された地域に隔離されていて、そこを統括しているのがバイオシン社。今作の悪がそこの社長であるドジスンで、恐竜の遺伝子を利用し人間の病気を治す!と言いつつでけえイナゴを作り出し人類を食糧危機に陥れかける。

そのイナゴを作ったのが、お前本当にもういい加減に学べ!世界代表選手であるヘンリー・ウー博士。こいつほんと...食材のためとか言ってるけどいつだってお前の研究が大惨事引き起こしてるからな?頭いいくせして最初から最後までこいつは学ばん男だった。

ラストなので出演陣が多く豪華で且つ、中盤までは各々行動しているものの分かりにくいことはまるでなく困惑することなく見れた。だけど、人が多すぎるのでこれまでの主人公がオーウェンが全く目立たないどころか地味になってしまっていた印象は強かったかも。残念。

あと、やたらと予告で煽っていた「ブルーの子どもを助ける!」って要素、めっちゃ薄い。オーウェンとくれたの目的が、とにかくバイオシン社に捕まったメイジーを助ける!なのでラストのラストになるまでブルーの子供に関して何も言わずどこにいるかも探しもしないの、すごい違和感だったし腹が立った。なんなん???

ブルーの子供(ベータ)とメイジーがどうしてメガイナゴの遺伝子を組み替え直すのに必要なのかも今ひとつ理解が及ばず、捕まったベータを「お前もここから出たいよね!」と脱走させておいて放置するメイジーにムカついた。脱走のその後も全く描かずラストにちらっと出てくるだけだし、メイジーなんなん???

レジェンドであるアランとエリーは青春を取り戻せ!、とばかりに大人の恋を楽しんでた印象。アランはエリー一筋で独身貫いたけどエリーは子供を2人儲け離婚済みなのでなんの問題もないので、ようらくアランが報われて良かったね、的な。

親子や家族愛がひとつのテーマとして描かれているので仕方ないんだけど、子どもはいるの?僕は5人!私は2人!僕は独身!仲がいいのに結婚はしていません!え、独身なの!?家族いないの!?みたいなやり取りがことある事に描かれてるの、個人的に辟易した。家族のカタチなんて十人十色やろうが、放っとけや。

前作で謎のまま終わったメイジーの母の秘密も今回描かれてる。頭良すぎる恐竜好きな女性で、遺伝子だかなんだかを上手くいじり己のクローンを作り出し、己の腹の中で育てうみ、己にあった遺伝子の病気をメイジーからは排除し、己はその病気で死亡。とりあえず凄い人だった。

メイジーママの知識と環境(親が金持ちでクローンを作っても庇ってもらえる)があれば、己の身一つで子供作って産めるの羨ましくて泣けた。羨ましいし、子供を産んだ&子供がいるマウントとってくるメンツの多さにメンがヘラって大号泣しまくってしまった。不覚である。

そんな感じで人間ドラマが多く描かれていたせいか恐竜に関しての記憶がうっすいのよ。近年の研究結果からか、羽毛を持った恐竜が見れたのが個人的には楽しかった。初期のジュラシックパークを撮った時にはなかった定説が今は当たり前で、ちゃんとそれを取り入れてるの良き。

あとはこれまで作品をセルフオマージュしてたり懐かしいセリフを使ってみたり、ジュラシックパーク&ワールドのロゴである輪の中に恐竜の顔が入ってるアレを再現してみたりと、恐竜が出ているシーンはシンプルに楽しかった。

ラストの三つ巴の戦い、格好よすぎて震えた。恐竜よくわからんけどティラノサウルス(だよね?)がやられた時めっちゃ泣いた。お前がジュラシックシリーズの覇者やろがー!ってべそべそしてたら目開けてワって襲い掛かるの格好よぎて惚れ直したわ。ワタシ、キミ、好きー!

前作に比べた軍隊だなんだが出てこない分、人と恐竜の力量が分かりやすく、恐竜の怖さが際立っててよかったと思う。しかしなあ、イナゴ...イナゴが目立ちすぎてたんよなぁ...タイトル、「ジュラシック・ワールド イナゴパニック」とかにした方が良かったのでは。え、ってか副題の"新たなる支配者"って誰?

ラストの恐竜と動物は共存できそうって映像には心打たれた。人間は無理だろうな、って漠然と思ってしまう映像だったと思う。あとウー博士はなんで許されてるの?そこ許せん。

全体的には楽しめたんだけど、さすがにシリーズ通して6作目ともなると恐竜に対するドキドキは感もないし、まあメインどころはみんな生きるだろうし...ってある意味冷めた目で観てしまった感はある。勝手な嫉妬で泣きまくってしまっただけの映画だった...ううう。

ブルーとベータも再会できてハッピーなんだけどさ、オーウェンがバイオシンに向かう途中まじでベータのこと気にする様子なかったのが不愉快で素直に受け止められなかった。いや、良かったんだけどさ...ねえ。

新キャラのケイラとラムジー(私が今一番注目してるママドゥ・アティエ!)はとても良かったし、大好きなオマール・シーが見れたのも良かった。君の横っ飛び、最高だったぜ。

これで終わるならまあ納得かなって感じはある。現実だって動物相手に密輸やらなんやらはあるわけで、それを恐竜で描くな!問題を解決しろ!ってのは無理な話だし。全体的にはハッピーエンドで良かったですね。

セルフオマージュのおかげで懐かしい気持ちになれたし、恐竜はイケてるし、懐かしいメンバーが見れたし、それぞれちゃんとキャラに役割があってよかったし、と全体的には楽しめた。けど細かいところが気になってしまってモヤモヤが残ってしまった気がする。

命を繋ぐって大切やなあ、Circle of Lifeだね!と思う一方で、ふんだ!子孫を残せなくてすいませんね!ふんだ!と拗ねてしまう性格の悪い自分が嫌になってしまった。私だってメイジーママやブルーのように己の身一つで子が成せるなら成しとるわい、ふんだ!(号泣)

次に映画館で見る作品は大好きなジョーダンピール監督作品のNOPEです。とても楽しみです。
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