はぐれ

ウエスト・サイド・ストーリーのはぐれのレビュー・感想・評価

3.5
コロナ禍のあおりを受けて延期になっていた作品がようやく公開。正直、ロバート・ワイズの決定版がある名作をなぜ今更リメイクするのかはなはだ疑問だったけど、その理由が鑑賞をしてみてわかった気がする。やっぱ古典の力ってすげーわ。貧困だったり移民の問題も古くなるどころか益々色濃くなってくる現代社会。その色あせないテーマとストーリーは今の時代だからこそガンガンに響く。そして何よりレナード・バーンスタインの名曲群がいちいち鳥肌が立つほど素晴らしい。『Cool』いいわー思わず指鳴らしたくなるわー🥺

個人的にはプライベート・ライアンに出てくるような瓦礫のセットからキャストがわらわらと這い出てくるオープニングアクトがめちゃくちゃ好き。中盤で「第三次世界大戦でも始めるつもり?」ってセリフもあったけどまさにそれ!ミュージカルの名作とスピルバーグお得意の戦場シーンが融合しているパラレルワールドのような血沸き肉躍るダンスシーン。しかもカメラマンはあのヤヌス・カミンスキー!色合いもカメラワークもノルマンディー上陸作戦のそれだよね。そのミュージカルらしからぬアンマッチな質感と肌触りに胸が高まる。

イチャもんをつけるとするとリタ・モレノがおいしいとこを持って行きすぎwいくらオリジナルキャストだとしてもやりすぎでしょ😂

「私はアメリカ人じゃないプエルトリコ人よ」。移民のプエルトリコ人とネイティブアメリカンを追いやった移民の先祖を持つ白人の争い。やっぱこの問題って結局は根本的なとこに立ち返っちゃうよね。なんかメキシコ勢や極東アジア諸国に押され気味の今のハリウッドの現状と重ね合わせてしまう。
はぐれ

はぐれ