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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのnileのレビュー・感想・評価

4.4
スコセッシお得意の様々な立場に揉まれながら落ちぶれていく人々の物語。オセージ族の妻を愛する気持ちは本物、叔父は恐い、そして金は欲しい。3時間を超える上映時間の中で主人公が家族のために、そして時には自分だけを守るために、あらゆるしがらみに逆らうことが出来ずに流されるままに非道を歩んでいく姿が描かれていく。終始困り顔で口をモゴモゴとさせるレオナルド・ディカプリオと彼とは対称的に凛とした姿で構えるリリー・グラッドストーンの演技が素晴らしかった。
アーネットからしたら娘の死は初めての別れだが、モリーからしたら何十人も殺された同胞に娘が数えられてしまう悲しさと死の連鎖が止まらないことへの諦めといった絶望の感じ方に差があった描写には驚いた。
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