nileさんの映画レビュー・感想・評価

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

久しぶりに映画館で観たいと思った作品。
原作からの変わりように驚いた。主人公二人の周囲にも少しずつ喪失や痛みと向き合っている人々が配置され互いに助け合っていきそんな彼らが移動式プラネタリウムの中で変わ
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もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

4.7

近未来を舞台に人造人間と人間の関係性や元からある夫婦の関係性を今までにない感じで捻らせた傑作。後半になって理解できるレコーダーの音声を聞くシーンの意味や白紙の手紙の意味がラストで回収されて唸った。主演>>続きを読む

ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.5

歴史的偉業を敗者側から描いたお仕事映画。どんなに秀才を集めてあの手この手で王国を築いたとしてもたった1人の天才によって今までの栄華が奪われるのは残酷だけど面白い

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.8

面白かった。あれだけ大規模な撮影をしていてどこもセットぽさが無いのは流石。国家壊滅レベルの超大規模地震への説明は一切なく物語は震災後どうやって人は生存していくのかをしっかり見せつけていく。住民のための>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.6

貧乏学生と貴族学生との出逢いから始まる歪な感情の物語。憧れや愛情が憎しみや嫉妬といったドロドロしたものへと変わっていくおぞましさが描かれていくにも関わらず画面に映る人物や景色はこれでもかというくらいに>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

5.0

これはフィクションといっていいのだろうか。ドキュメンタリーに近い気がする。複数のシーンが何度も演じられ、役者が独自の解釈でキャラクターを肉付けしていく様子とそれを見ている私達も彼らの関係性や性格を理解>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.7

面白かった。サムライというマチズモの世界でブロマンスを越えて同性愛的な世界が共存していたのは興味深い。どの国の歴史でも男娼なる存在がいたことが描かれていたりするが、あれはどういうことなんだろう。
基本
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共謀家族(2019年製作の映画)

3.8

娘が誤って犯してしまった殺人を無類の映画好きな父親が映画で得た知識をフル動員させて警察からの捜査を欺くスリル作品。言うほど映画鑑賞シーンや映画からの引用が無いのは少し残念だったが、ああやって人は生活の>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.0

今泉力哉作品らしい人に寄り添うような優しい作品だとたが、今までとは違ったダークな雰囲気には驚いた。
どうやら訳アリの妻と疾走した訳アリの旦那、そして彼らが経営している銭湯にやってきたどうやら訳アリの男
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

4.1

リドリースコットらしく無い軽快な雰囲気で驚いた。シーンの入れ替わりがグルッと回る式だったりニコラスケイジが主演だったりとふざけたような感じだが、ストーリーはしっかり唸らされた。

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.3

移民映画。「エブエブ」は居場所を作ることに苦労してきた移民一世を主人公にした作品だったが、今作は生まれたときから両親が居場所を作ってくれていたおかげで次の一歩へ踏み出す移民二世の作品だった。火だから輪>>続きを読む

ONEFOUR:困難に立ち向かえ(2023年製作の映画)

3.8

面白かった。
グループの存在は前から知っていたが、熱心に追っていなかったのでなぜ発表曲が少なかったりメンバーソロでの活動が無かったりというのが今作を見て彼らが置かれている状況から理解できた。日本だとギ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.8

もはや役者の演技や全体の演出についてゴチャゴチャ言うのは面倒くさいので言わないが、今作のテーマについてははっきりと言っておきたい。戦後間もない時代で、あれだけ戦争で辛い思いをしてハカセが「これは死ぬた>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.3

超能力が結局どういうものだったのかが分からない。
尺も90分と短く展開もサクサク進んでいくのは最近の作品にしては結構珍しい気がする。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

ただひたすらにダークでクールな男が仕事をミスってから人間らしくなっていく物語。
冒頭でアレだけ「完璧な私の仕事論、人生論」をツラツラと語っていながら肝心の仕事でミスをして、そのツケを自分ではなく愛する
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.4

スコセッシお得意の様々な立場に揉まれながら落ちぶれていく人々の物語。オセージ族の妻を愛する気持ちは本物、叔父は恐い、そして金は欲しい。3時間を超える上映時間の中で主人公が家族のために、そして時には自分>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃ面白かった。
『ローグ・ワン』を作ったギャレス・エドワーズ、意図してローグ・ワンっぽさを入れることでオリジナルSF大作でここまでの作品を作れるし、『ローグ・ワン』は自分の要素が盛り込まれた
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.2

都市からは隔絶された小さな村で就職難と外国人労働者によって引き起こされるヒューマンスリラー。意外すぎるラストに驚いた。ラストの一歩手前だけはどういうことなのかは分からなかったが。

宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

4.5

面白かった。言うほど中国映画は見たこと無いが、国策で作ったような作品や中国第8世代らによる作家主義が全面に出た作品とはまた違ったこういうトリッキーな作品があることに驚いた。

超お古の宇宙服が脱げなく
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鯨の骨(2023年製作の映画)

4.5

現実とARの世界が融合して境界線が曖昧になった世界で謎の美少女の存在を模索する不思議な映画だった。いつもふにゃふにゃしているイメージのあのだが、墓場で儚げにこちら側を見つめてくるシーンでの破壊力は凄ま>>続きを読む

ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

3.6

2016年も色々あったが、2023年も色々ある。
LGBTを含む性教育、ハラスメント対策の厳重化、グローバル化など「今の俺たちってこうだよね」を少々図式的過ぎではあるが、コミカルに描いたドラマの劇場版
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(2023年製作の映画)

4.5

障害者施設での虐待や創作活動を通して生きるとは何か、人間とは何かを描いた社会派作品。
先日新しくなった上司に「ジジイになっても簡単な仕事しかできない奴はダサいし働く意味が無くね?」と言われたことを思い
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Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

4.0

社内ルールに抵触するためカップルであることを隠してきた2人だが、女性側が昇進し男性側がクビ切り候補にされることで2人のプライベートな関係が変化していく。上手く生きることが出来た女性と空回りして堕ちてい>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

5.0

『ハント』のようなバキバキの韓国映画や『ドリーム』のようなひたすらボケ続けていくコメディ映画がある一方でインディーズではここまでギラギラした作品が作られているのは素晴らしい。ジョン・ウィックを彷彿とさ>>続きを読む

シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

4.0

面白かった。やはり子どもたちがわちゃわちゃ騒ぐ映画は面白い。性的嗜好や家庭環境が原因で居場所のない子どもたちが集う演劇キャンプ。そして創始者もキャンプ自体も死にかけの中、無事に劇を披露することは出来る>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.7

同じ引退した最強の男によるアクション映画としては『ジョン・ウィック』と対になるシリーズ作品の最終作。イタリアに不時着したロバートが愛し始めた土地と人々のために戦う物語。戦闘シーンの尺はかなり抑えられロ>>続きを読む

undo(1994年製作の映画)

4.8

強迫性緊縛症候群になった彼女のために縛る彼氏と縛られる彼女の関係性がアーティスティックに描かれていく。彼女を縛って苦しんでいく彼氏、彼氏に縛られて開放されたように表情を和らげていく彼女の対比が良かった>>続きを読む

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