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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのtaroのレビュー・感想・評価

3.8
スコセッシさん最新作。オクラホマの荒れた地に追いやられたネイティブアメリカンのオセージ族が石油を掘り当て富を得たことにより、白人達から政略的な結婚と遺産を狙われ、60人以上が殺害されたという悲惨な1920年頃の事件のお話。実話を元にした原作があるとのこと。

ディカプリオさん、デニーロさんの新旧スコセッシ主役の2人がスコセッシ作品で初共演。この事件はFBI初期の担当事件でもありFBIのプロパガンダのような扱いも受けてしまった過去もあるようで、ディカプリオは最初はFBI役の予定だったが、アーネストに変更し迫害する側から描くようになったらしく、この視点がお見事だと思った。搾取構造の罪深さのような全体のお話もあるけど、アーネスト、キング、モーリーの1人1人のやり取りや関係性が良かった。アーネストは周りに流されてばかりで自分で物事を考えられず、本当にしょうもない。引き出しが少ないが、グッドフェローズ味を感じた。しかし、自分を通すことができると言えるだろうか、と危機感を覚える。ディカプリオの表情が最高だった。リリーグラッドストーンさんや、音楽も良かった。
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