HAYATO

インソムニアのHAYATOのレビュー・感想・評価

インソムニア(2002年製作の映画)
3.8
2024年100本目
昨日行われた第96回アカデミー賞授賞式でめでたく監督賞を受賞したクリストファー・ノーラン監督作を鑑賞。
白夜のアラスカを舞台に、不眠症(インソムニア)に陥った刑事と殺人犯の対決を描くサスペンススリラーで、1997年に製作された同名ノルウェー映画のリメイク。
アラスカの小さな町で、17歳の少女の変死体が発見された。翌日、ロス警察のベテラン警部・ドーマーと相棒・ハップが応援にやってくる。ドーマーは犯人をおびき寄せることに成功するが、深い霧の中で犯人を見失い、誤って相棒を射殺してしまう。
製作総指揮にスティーブン・ソダーバーグとジョージ・クルーニーが参加。
第96回アカデミー賞作品賞のプレゼンターとして登場し、『オッペンハイマー』の名を読み上げた名優・アル・パチーノが主演し、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のロビン・ウィリアムズ、『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンク、『アントマン』のマーティン・ドノヴァン、『ライアーライアー』のモーラ・ティアニーらが共演。
日本での評価はイマイチだけど、IMDbやロッテントマトを見る限り、本国での評価は高い。
本作は、現在では巨額の予算を投じられるのが当たり前になっているクリストファー・ノーラン監督が初めてメジャースタジオで製作した作品。
自身が手がけた作品のうち、唯一脚本を兼任していないので、比較的ノーランらしさは薄く、ストーリーが理解しやすい。
極力CGや人工的な照明に頼らずに自然光を使ったり、雄大なアラスカの自然を空撮で捉えたりと、とことん「本物」に拘って撮影されているところは他作品に通じるノーランの作家性が現れている。フラッシュバックを多用し、不眠症に苛まれた男の混沌とした記憶やそれに伴う葛藤が表現されているところも『インセプション』や『メメント』に通じる部分がある。
コミカルな役柄のイメージが強いロビン・ウィリアムズが殺人犯を演じていたのが印象に残った。
PuckNewsによれば、ノーランは早くも次回作の執筆を開始したらしい。次はどんな題材の映画にするんだろう。
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