まぬままおま

The Strange Thing About the Johnsons(原題)のまぬままおまのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督の卒業制作作品。

アフリカ系の親子の近親相姦ですか…しかも父と息子という…

結婚もして世間体はいい息子と性愛を向けられる父。父は息子にも母にも世間にも悩みが言えず、小説でしか苦悶を語れない。

ホラーとして気持ち悪さが全開ですが、その中で家族の不和とそれでもある家族愛を描いているのはさすがだし、その愛がタブーを超えて倒錯しかねないことと普通に倒錯させて家族を崩壊させるのが本当に恐ろしい。

程度の差はあれど、皆誰しも家族と問題を抱えているわけだ。だから本作のようにアリ・アスター作品を私たちは正しく恐れられるのだと思う。

葬式シーンは『Munchausen』や『ヘレディタリー』、ある種『ミッド・サマー』でも確認できるから重要なモチーフなのかもしれない。

このように初期作品を辿ることは、アリ・アスター監督の作家性の淵源または脳みそを覗くようで恐ろしいけど、楽しい。