二十五、二十一、財閥家の末息子、応答せよ1997。
韓ドラを観ていくなかで幾度となく目にしてはきたけれど、不勉強でその内容についてはなんとなくしか知らなかった1997年のIMF危機。
これを阻止しようとするキム・ヘス、利用するユ・アイン、影響をもろに受けてしまうホ・ジュノの「3人の場合」で描いたフィクション映画。
国家が不渡りになるXデーに至るまでの漠然とした不安、葛藤、そして十数年を経てもなお国民の生活やその人柄にまでも影を落とし続けるこの歴史的事実が淡々と描かれ、感情移入する隙はほとんどない。
…がしかし、「これっていまの日本で起こっても全然不思議じゃないな」というおそろしさと、IMFのやった構造改革と某ノミクスが重なってしまうこと、そして「では中小企業や庶民を切り捨て大企業を優遇したのちのパラサイトの世界はどうだったかしら」と考えてみると、背筋がゾッと寒くなる作品だった。