りっく

闇の歯車のりっくのレビュー・感想・評価

闇の歯車(2019年製作の映画)
3.0
行きつけの酒亭に集まる4人の男が、謎の男から、さる商家に眠る700両を盗むという悪巧みを持ちかけられるところから始まる。そこから、彼らの人生の歯車が、彼らを取り巻く女性たちをも巻き込み、静かに狂い始めるさまを描き出す。そこまでの雰囲気作りは、アングルや絵作り等凝っており、色気を漂わせたルックで見応えたっぷり。

だが、例えば4人の男がいざ盗みを決行する、あるいは女絡みで追っ手が迫り破滅へと向かう、そういった雰囲気を高めてエネルギーを放出すべき見せ場での演出が上手くない。

盗むという目的だけあり、具体的な手段や作戦は二の次のため、チームものの肝が押さえられておらず、すべてが取っ掛かりなく流れてしまう。とりわけアクション場面になると非常にチープに見え、ラストの敵陣に囲まれた町人である瑛太の行く末を観客に委ねる決めの絵も締まりが悪い。
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