スコアは予想より低めの3.4
君の名は。が良すぎた余りに少し残念な要素が強かった。
●良かった点
さすが新海誠監督の作品はどれも絵が綺麗だと思う。水、空、光、自然の色味を出すのが上手で、きらきらした映像が幻想的で素敵だった。音楽も前作 君の名は。同様にRadwimpsの楽曲で取り揃えていて、歌詞と作品内容をマッチングさせているところにこだわりを感じた。
ストーリーとしては、「天気」をテーマにしたことで、よくある小説での情景描写をより濃く表していると思う。一般的なストーリーでも悲しい雰囲気で夕立を降らせたり、明るい展開で虹をかけたりすることがあるけれど、今回はヒロインのひなが空と連動したという設定の元に描かれているので、空模様からヒロインの心情がダイレクトに伝わるのが面白いと思った。
●残念だった点
現実味が薄すぎることが残念。
アニメ映画に現実味を持たせること自体が難しいのかもしれないけれど、少なくとも『君の名は。』は全て別次元のパラレルワールドのストーリーだったという結論なので、「すべてはまるで夢だったのか現実だったのかすらわからない、けれど確かにそれがあったことを思い出させる」ということを彷彿させるけれど、今作はそういった内容ではなかったので、リアリテイにかけるが故に思い切り楽しく見れない部分があった。特に最後3年経った今でも東京では雨が続いていて、ついに東京の大部分は水に沈んでしまっている、なんてところは、なぜ「東京」というリアルな世界を描きつつ、そんな現実離れした結果を描いたんだろうと…残念…。