このレビューはネタバレを含みます
三角貿易か、もしかするともっと前からそうなのかもしれないが、アメリカが形成されていく上でしっかり向き合い正すべき内在する黒人差別に触れたおはなし。
いっけん最後に釈放されサクセスストーリーのようにも映るが、失った時間やその心労はお金では保証できない傷だと思う。
作中にもあった「推定有罪」という皮肉な言葉のとおり、ろくに調べない司法のあり方、既得権益にしがみつく組織腐敗に、憤りを感じる。一方で事実として事件が起こっていることも、これらの問題を複雑にしている。
自分もアメリカにいた時に、黒人蔑視は経験したが、こういった史実から学び自分で考える事は大切な事だと思う。
どんな仕事でも、楽をしたり手を抜いたりして、本作の司法判決とは違うが、そのせいで同じように嫌な思いをしている人は日常的にいるし、その当人たちは慣習や雰囲気でやっているだけで気付いていない事実を、再認識するきっかけになった。
色々と考えさせられる作品だと感じた。