りっく

眠る村のりっくのレビュー・感想・評価

眠る村(2019年製作の映画)
3.0
毒ぶどう酒事件の現場に降り立ち、村人たちにも取材はしているものの、真犯人を徹底究明するような内容でもなく、犯人とされた奥西さんの墓が共同墓地に移されたというエピソードはあるものの、村全体の暗部を過度に抉り出す内容でもなく、あくまでも怒りの矛先は科学的に新たな証拠も出てきているにもかかわらず、警察に強要された自白しか判決の判断材料にしない名古屋高裁の裁判長や検察に向けられる。

奥西さんもこの事件によって分断され衰退していった村全体も、同じように被害者であるという作りになっており、昭和のミステリーを揺り起こすという形で謳われ、本多俊之の音楽がサスペンス的な雰囲気を過度に盛り上げるものの、村人たちへの取材が踏み込み不足な感が否めず、焦点がぼやけている。
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