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12か月の未来図の太のレビュー・感想・評価

12か月の未来図(2017年製作の映画)
4.0
フランスの教育現状、特に郊外に焦点を当てた映画は少なくないが、これもそのひとつ。未終えた感想を素直にいうと、どこかいまいち面白げがなかった。でもそれは“映画”としての話であり、現実はこんなものなんだろうとも思う。最後に彼が中学校へ残らなかっただろうことや、彼に感化された若手の女性教師が倫理観ひん曲がってそうな男とカナダへ行くことを変えなかったことが何よりこの教育現状が慢性的でひとりの力ではどうしようもないということを物語っているようにも見えた。いわゆる劣等生に焦点を当てているために、学習性無力感が取り上げられていたが、日本でも慢性的に起こりはじまりつつあることなのではないかとも思う。学力低下と教育の本質、ここがマッチしてきてこそどの国も質の高い人材と少しだけ明るい未来への投資ができるのではないか。とまで少し考えに耽ってしまう。
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