真っ黒こげ太郎

タンク・ソルジャー 重戦車KV-1の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.8
世界最強の戦車部隊に挑む、不屈のソ連重戦車!!!




1942年、ドイツとソビエトの激しい戦闘が続くロシア戦線。

指揮官のコノワロフは重戦車KV-1を駆り前線で戦っていたが、敵の不意打ちで部下を失ってしまう。
傷が癒え戦線復帰したコノワロフだったが、死人を出した事から副官からはあまり歓迎されてなかった。

彼を待っていたのは、ポンコツな新入部員やコノワロフの嫁で天才整備士の妻パヴラ。
コノワロフは部下を鍛え直し、パヴラが修理した重戦車KV-1でドイツ軍のティーガー戦車部隊に戦いを挑むのだった。




重戦車KV-1に乗り、前線で戦いを繰り広げる戦車部隊の活躍を描いた、実話ベースの戦争アクション映画。
気になる戦車映画を観る前に、一部で評判が良くてちょっと気になっていたロシア産の戦車映画をレンタル。


お話は「一度部下を失った部隊長が、新たな仲間たちと共に敵に立ち向かう」というコマンドアクションでよく見る話。w
ロシアの映画は分かりずらい話が多いが、今作は歴史に詳しくなくても解りやすい内容で一安心。

ドラマ運びはテンポも良いし、人間ドラマもベタで分かりやすいのだが、90分という短尺にドラマを詰めているからか、やや薄味になってるのは否めない。
主人公の妻が整備士で夫の為に戦車を治したり、いがみ合っている主人公と中尉が色々あって(適当w)和解したりと、ドラマは盛り沢山なのだが、如何せん描き方がザックリして起伏に欠けていた。

ラストバトルも盛り上がりはするけど、最後の最後で肝心の戦いをザックリ切っちゃってるし…。
(オチもまぁ予想出来る感じ。)


そんなこんなでお話には難アリだが、肝心の戦車戦は見事なクオリティ。
ロシアの軍事アクションという事で、出てくる戦車は本物を使用!!
戦車戦では火薬の爆破で堂々と戦車が爆発炎上しまくるので、ドンパチ成分をしっかり補給できました。
主人公達が乗る重戦車KV-1に関しては詳しく分からないのですが、スナイパーの如く一撃必殺で敵戦車を仕留め、固い装甲で敵の弾丸を弾く姿は堂々としていてカッコ良かったです。


後お話はザックリ気味ではあったが、主人公の妻が戦車を治して助けに来て、敵軍に反撃するラストバトルは純粋に燃えましたね。
ラストバトルでは一緒に戦ってくれるし、この手の映画のヒロインキャラとしてはかなりマトモな性格で邪魔にならないのは好感触。
主人公と愛を語る描写もサックリと済ませて、恋愛ドラマに無理くり逃げなかったのも良い。

余談だが部隊員の一人がロシアン・ランボーな「FLINT フリント」シリーズの主演の人で何か嬉しくなった。w
今作では短気で未熟な一般兵役だったが。


という事で、お話は薄味で微妙だが、見せ場となる戦車戦は重厚さと泥臭さ満点で、ドンパチコマンドアクション物としての見どころは十分にあるので、有名な戦車映画を観る前の露払いや前菜代わりに見てみてもよろしいのでは。
まぁ、戦車同士のドンパチはちゃんとしてるのでそういうの目当てなら楽しめると思うぞ。