まるでドキュメンタリーのような作品。
登場人物たちの間で交わされる会話の内容や距離感、間合い、出立ちがとてもリアルでぎこちない。
手持ちカメラの映像、リアルな風の音、(というかもはや吹雪レベル)荒々しい感じがまた良い。
テーマになっている音楽も好き。
予告で観て印象的だった、うめちゃん、タケ、シュンが3人並んでDNA採集の映像を眺めているシーンはやっぱりこの映画のハイライトなのでは。
あどけなさ、幼さの残る男の子たちと、一歩先に大人の階段を上り始める女の子。
恋をしたことがある人なら必ず、あのどうしようもない気持ちや行き場のない高揚感に、きっとむずむずしてしまうはず。
それにしても、シュンに告白した女の子は男前だったな…
とはいえ、山口に、YCAMに行ったことがなかったら、夜明けのすべてを観なかったら、身近にコアな映画好きの人たちがいなかったら、きっと観ることはなかったと思う。
自分が普段選ばないような映画を観るということは、自分の中の引き出しを増やせる良い機会になる。