このレビューはネタバレを含みます
バロック美術のような強烈な光と闇のコントラストを意識した画面構成が印象的な作品。
"忘れさられた敗北者"であるムヒカたちと、世の支配者である軍事政権と外の世界の自由を印象的に表現している。
収監されていた時には便器として使用していたバケツが出所後は花を植える鉢になるのも、小物で作品全体をうまく表現しているのではないか。
南米の歴史に不勉強なのでドーバー海峡危機について初めて知ったが、カトリック教会たまには仕事するんやな…という印象を持ってしまった(失礼
狂気に囚われかけたムヒカに対して母親が
「戦うことをやめた者のみが敗者だ。奴らの思い通りにさせるな。」
と一喝するシーンがとても良い。