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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

「じゃあ教えてくれよ この仕組みの深さを破壊するやり方を」(費用は政府持ちの使い放題カードを見ながら)と言う主人公ハサウェイ・ノアは、地球連邦軍の軍人ブライト・ノアの息子でありながら、マフティー・ナビーユ・エリンというエコテロリストである。

居住するには政府に莫大な金を払って許可証を得る必要がある場所となった地球のオーストラリアが舞台。

ポーターは黒人青年、ヒロインは金髪碧眼の白人女性、主人公は実家が太い(父親がブライト・ノア)エリートと、若干従来の人種、階級観を引きずっている感じがある。

ハサウェイ(名前)・ノア(苗字)というのは欧米圏の名前とは異なるが、もしかしてハサウェイは苗字でノアは名前で、表記や呼び方がアジア風になったという設定なのだろうか。マフティーからしていろいろな国の名前からの合成だが。

ハサウェイのモブ顔。なぜ主人公なのだろうか。彼がシァア・アズナブルの後継のようなダーク・ヒーローになった経緯は原作未読なのでよく知らないが、ルックス的にはレーン・エイムのほうが余程主人公感がある。父親のブライト・ノアの方がまだ華がある。

ガンダムシリーズは真面目に追っているわけではなく、最後に観たのも『機動戦士ガンダム サンダーボルト』なので、登場人物の人間関係も不明のまま観たが、よく分からないまま始まり、そのまま終わってしまった。壮大なサーガの小さなエピソードを見せられた感が強い。マフティーが仲間のカモフラージュ空爆から逃げ惑うシーンに、中盤の結構な時間を割いている。なんというか、あれそんな時間かけて見せる必要あった?モビルスーツの暴力性と人間の卑小さの対比ならば、効果的な1ショットがあれば十分ではないか?

金髪碧眼のギギがヒロイン、赤毛のエメラルダがサブキャラというのに最も古さを感じた。

最後の戦闘シーンでのマフティーとエイムの対話だけ、名誉をかけて戦ってる感じがあってよかった。ハサウェイとの闘い方を指示するガウマンにレーンが「バカにする!」(「バカにするな!」じゃないとこがポイント)と言ったり、人質のガウマンを解放したレーンにマフティーが「レーン・エイム 潔い男」と言ったり。

未成年のギギ・アンダルシアにケネス・スレッグといういい大人の男性が「俺と寝ないか?」と誘いかけるのだけはどうにも気持ち悪かった。いくら軍人が「幸運の女神」のげんを担ぐとは言え。
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