りっく

FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティーのりっくのレビュー・感想・評価

4.5
広告代理店的な発想とアイデアで大風呂敷と理想だけで突っ走る危険性。誇大広告やハッタリが後に自らの首を絞め、それを隠蔽し絵にかいたような失敗を果たす滑稽さ。カリスマ性のあるボスに何も言えずに暴走を許してしまう組織の体質。セレブやパーティーやフェスといったイケてると思われるものに飛びつく自己顕示欲。限られた食料やテントをめぐり秩序が崩壊する人間の恐ろしさ。人権を無視され働かされる現地人の搾取の構造など、本作は他人事ではない人間の欲や業といった普遍的な問題を鮮やかに浮かび上がらせることに成功した、示唆に富んだ傑作ドキュメンタリーである。
りっく

りっく