1964年公開、ヤクザが主人公の和製ミュージカル。ミュージカルといえばキャラクター毎にテーマソングがあり、それぞれのキャラクターが映ると流れる(歌う)構造になっているものが多い。
「ああ爆弾」はライバルは洋楽を、友達は邦楽を、そして主人公が出ると能を演じるという衝撃的な構成になっている。あとギャグマンガ日和的な早すぎる展開は笑ってしまう。
今まで普通にしゃべってたのに急に歌い始めるのがミュージカルのシュールさだけど、本作では主人公のヤクザが急に能のしゃべり方になる。ぶっ飛んでる。BGMには当然のようにイヨォォォォ!が差し込まれ、長尺のすゑひろがりずのネタを見ているような感覚。
ただその奇抜さは日本独自の表現を追い求めたからかもしれなくて、ふいにかなり斬新で洒脱なカットが現われたりする。主人公の顔で魅せる演技もすごい。最高でした。