とり

ワイルド・タウン/英雄伝説のとりのレビュー・感想・評価

4.5
なにげに楽しみにしてたザ・ロック主演のアクション映画。
上映期間が短くて必死の思いで劇場での鑑賞。
シネプレックス幕張で伝説とも言うべき9番シアター!
この9番、HDCS(ヘラルド・ダイナミック・クリア・サウンド)という独自の音響システムを構築してて、映画ファンの評価がかなり高いところ。

期待してた通りのお手製感覚モリモリのB級アクションでした。
今時貴重なほど全てが手作り。数箇所の爆発シーンは多少いじってると思われますが、それ以外は全編リアル映像。全然お金かかってなさそうです。
まぁ主人公からして武器がただの角材および棍棒ですからね。ポスター画像が全て。
ゲバ棒として見ると違った意味が見いだせて面白いかも。

70年代に作られた「ウォーキングトール」という映画のリメイクらしく、世界観とか設定がすでに古くさくなってしまってる感は否めません。
そこは今風に上手くアレンジしてみても良かったのかもしれませんが、この古くささが味だったりもするんでしょう、きっと。
鑑賞中ときどきふと自宅で木曜洋画劇場、いわゆるテレ東枠でも観てるかのような錯覚に陥ってしまいました。ほぼ貸切に近かったし。無駄に立派な劇場なのが泣ける。

ストーリーはなんかもう恐いくらい強引で突っ込みどころ満載。
ただ、映画の教科書でも見ながら作ったかのようなオーソドックスなカメラショットや編集だったので、案外グダグダでもなかったです。
たまにへぇ~と思わせるセンス良さげなワンショットもあったりで、今後に期待したい監督かも。
特にオープニングはけっこう良かったです。
久しぶりに故郷に帰ってきた元特殊部隊のロック様が、軽快な音楽の中歩く様子はいつまで見ててもいい心地良さがありました。
で、このシーンでさりげなく描かれてる町の様子がなんかいいんですよ。
最終的にロック様が町を救いたいと思わせる原点ですね。実際には腐敗しきった町ではあるんですが。

ロック様はあの図体で軽快な身のこなしを感じさせる貴重な人材だと思ってるので、今後もバリバリ映画俳優の道を歩んで行って欲しいものです。(※当時の感想です)
演技力なんて特別なくってもいいんですよ。人柄っていうかオーラっていうんですかね、その人独自の持ち味さえあれば。

普段映画を観ないような一般人は別として、映画ファンを自称する方々には機会があれば観て欲しい類の作品。
コンピュータ系ほぼ皆無の昔ながらのお手製アクション映画、貴重です。

シネプレックス幕張(現在はユナイテッド・シネマ幕張)
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