このレビューはネタバレを含みます
数年前から夫が絶賛し勧められていたものの、ようやく鑑賞。
うんうん、凄くよかった。
実話ベースで、キャロル・シェルビーもケン・マイルズも存じ上げなかったけれど、60年代のアメリカ、フランスの風景やまだアナログな当時のレースの雰囲気など見応え充分で楽しめた。
アウトランダーやベルファストでお馴染み、美しく気の強い役が似合うカトリーナ・バルフも出ているし、喧嘩するほど通じ合っているマット・デイモンとクリスチャン・ベイルも゙はまり役、2人共江戸っ子みたいな職人気質ぶりにキュンキュンしてしまう。
ル・マン耐久レースも車も全然詳しくないけれど、レースの迫力、極限のスピードで駆け抜ける男達の勝負。見ていて清々しい。
デザインと技術に誇りを持つ伊フェラーリと資本主義的な大衆車を生産するアメ車フォードの勝負に出た意地、打算的なスーツ組、現場の技術者のプロ意識もそれぞれ分かりやすく面白い。
お偉いさんをも唸らせるケン・マイルズの車を知り尽くした運転技術と、勝利、スピードへの飽くなき欲望、爆音のエンジン音の迫力、劇場で観たかった!
しかもCGでなく実写ならではのリアルな臨場感に圧倒される👏。
最後のらしくない同時フィニッシュも、ル・マンを走らせてくれたフォードへの恩返しなのか、不本意な結果でも何故か清々しいさっぱり江戸っ子マイルズ。
悲しい結末も悲壮感なく、男のロマンを追い求めた生涯に喝采を送りたい。