みずず

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいのみずずのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いたいた、小学校の頃こんな感じで気に入らないことがあると怒り狂う友達がいた。鑑賞中ずっとそんなことを思い出していた。彼は元気にやっているのかな?

この手のシステム・クラッシャーの子どもって、親から十分に愛情を与えられていなかったり虐待などにより慢性的な孤独感を抱えているという背景がある場合が多く、他人の親や周りの大人たちにやたらベタベタ甘える傾向があると個人的には感じている。ちょっと優しくすると急激に距離を詰めてくるというか、周りの人との距離感をうまく保てない。だから優しくしてくれた人がいたとしても次の瞬間には豹変し暴言を吐いてしまう。

本作においては、学校同行者の青年に対しパパになってとせがんだ後に、一言「あなたの家族が死ねば、わたしのパパになってくれる?」みたいなことを言った時、最悪の結末を予期し背筋が凍るような感覚を覚えた。本当にドキドキ(悪い意味で!)してしまった。この感覚を映画鑑賞中に覚えたのは『あのこと』以来久しぶりで、そういう意味で本作はとても記憶に残る作品となった。

多分、この後もベニーを取り巻く環境が劇的に好転することはないだろう。ただ、年齢を重ねて色々な経験を得る上で自身を制御する方法も少しずつわかってくる可能性はあるはずなので、もちろん大変なのは重々承知しているが、ベニーみたいな子どもを早々に切り捨てるのではなく諦めずに寄り添い続けて欲しいと心から思った。(というか、私自身が周りの大人の根気強い対応のお陰でなんとかそれなりにしてもらえた子どもの一人だったんだと今になり思っている。)

〜〜余談〜〜
「大丈夫、強化ガラスだから」と言った次の瞬間にベニーが割ったシーンは笑ってしまった!笑
みずず

みずず