ホラーのタイムトラベルもの。予備知識はそれくらい。最初はエドガー・ライト版の『ミッドナイト・イン・パリ』かなー?なんて呑気に見ていたらいい意味で完全に裏切られた。
擦り切れたレコードは何を暗喩しているのかすぐにわかったんだけど『ティファニーで朝食を』のポスターがまさか物語の重要なテーマの暗示になっているなんて思わなかった。こういう映画ファンや音楽マニアを唸らせる細かいギミックがいかにもエドガー・ライトだよね。
都会と田舎、集団と個人、過去と現在、憧れと失望、男性と女性、マジョリティーとマイノリティー。デザイナー志望の主人公が経験する憧れだった都会からのあまりの手厳しい洗礼。名曲『Down Town』があんなに切なく聴こえたことなかった。「私の夢を盗んでいった男」。今も昔も映画界にはあまりにも多すぎた事例なんだろうなー。