ポワロが謎解きや推理をしている感じは、まったく無かった。
しかし、前作の「オリエント急行」に続いて、本当に画面が美しかった。その豪華過ぎる画面だけで終わってしまい、今作の売りはそこだけだった。ケネス・ブラナー率いる製作陣のポワロ像が斬新過ぎて、やっぱり合わなかった。
ジャクリーンは、見た目は人畜無害で抜けていて馬鹿にされるような女性として描かれているけど、今作はものすごい野心的な配役だった。サイモンも、無能で低能な男だが、それを売りにするのではなく、絶倫男みたいな描かれ方だった。
いろいろと、原作登場人物に変化を加えていたけれど、それがうまくいっているようには思えなかった。小説家を歌手にしてエンディングを飾っていたけど、だから何だ?っていうような蛇足なエンディングだった。