海風

サウナのあるところの海風のレビュー・感想・評価

サウナのあるところ(2010年製作の映画)
3.5
まず面白い情報を。
サウナの本場フィンランドでは約550万人の人口に対して約300万ものサウナがあるんだとか。サウナ大国や。
シャイで寡黙なフィンランド人も、サウナでは身も心も裸になって語り合えるんだって。
日本でいう’銭湯’という場所で始まる’人との繋がり’みたいな、入り込み過ぎず他人事だと思い過ぎないような絶妙な距離感での語り合い。

好きだった。様々な環境で生きている人たちの「人生」を覗き見しているような気分になれて。疲れた身体に優しく声をかけて、心を溶かしてくれて、「また明日も頑張ろっと」って思わせてくれる。

あ、あと何より監督のセンスが好きでした。
原題「Miesten vuoro (男の番)」。このタイトルの理由は、「フィンランドでは長い時間をかけて、世界でトップレベルの男女平等の国になった。しかし、未だ’寡黙が良い’と考えるステレオタイプの男性像があり、感情を表にすることがタブーのようなところがある気がする。だから、次は あなたの番だよ!男たちよ!ということを伝えたかった。」と話したそう。これからのフィンランド社会の課題なんだと知って、監督のセンスを感じました。
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