もとまち

(生)盗聴リポート 痴話のもとまちのレビュー・感想・評価

(生)盗聴リポート 痴話(1993年製作の映画)
3.5
マシーンに人間の肉体が依存することによって生じるノイズ・拒否反応みたいなものを、佐藤寿保はいつも表現しようとする。コードの延びきった黒電話、ブラウン管モニターが放つ灰色の光、盗聴器の電子的な雑音に紛れた誰かの声。機械のもつ無機質な特性をフェティッシュに描いたシーンの数々が、人と機械の間にある相容れない関係を強調する。こういう物語って、コンピューターが人間社会にすっかり溶けこんだ現在ではもう描けないんだろうな。スマホのようなデバイスには宿らない不気味さが、この時代にはあったんだろう。ところであのカッコいい植物人間ゴーグルはどこに売ってますか?
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