キャプ

フェアウェルのキャプのネタバレレビュー・内容・結末

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

親族への余命宣告についてとても考えさせられた。

“余命宣告された側は病ではなく恐怖に殺される”
この言葉にはゾクリとした。

自分も死を考えさせられる程の病を経験した事があるのでこれにはとても説得力を感じた。

結果としてこの家族は隠し通す事に徹する訳だがヒリヒリヒヤヒヤする場面がありすぎて気が気じゃない。

後半になり流石に祖母は気づき、気づかないふりをしているのだと思った。
ウソをつくことで家族は平静を装える。
騙された振りをしていれば悲しみに飲み込まれない。


余命はその人の尊厳の為にも宣告するべきという考えだったのだがそれが今日覆ったかもしれない。
残された時間をしれれば、自分の人生、家族と向き合えるしやり残した事ができるかもしれないと思っていたが
家族全員で余命を共有してしまったら悲しみの渦からでられないのではないか、、、

余命宣告しないというのは優しいウソでありそんな現実はなかったことにしたいし、認めたくない。
本人が知らなければそれは現実ではなくいつも通りの日常が送れるというささやかな希望に見えた。


ただ、もっと触れ合ったり側にいたい筈の家族が祖母に悟られぬように辛いの我慢して日常に帰るところは感情の整理がつかないくらい考えさせられた。


いつも猫背で気怠な主人公が最後シャンと胸を張り、声を出すラストもとてもいい。
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