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サイレントメビウスのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

サイレントメビウス(1991年製作の映画)
4.0
麻宮騎亜の人気コミック『サイレントメビウス』を劇場アニメ化。
人口は増加の一途をたどり、環境破壊による酸性雨が降りしきる近未来のTOKYO。2000年を過ぎた頃から、人知を越えた不可思議な事件が起きるようになっていた。3rd-AT(サード・アトラクション)と呼ばれ一般人に秘匿されていたそれらの事件は、妖魔(ルシファーホーク)と呼ばれる異世界(ネメシス)の住人たちが引き起こす事件であった(連載当初は妖魔が直接関与しない3rd-ATも発生しており、妖魔は「何でもあり」な3rd-ATの一部でしかなかった)。
妖魔は異なる秩序が支配する宇宙に存在する「邪界(ネメシス)」から来ており、自分の世界の秩序に従った魔法を使えるが、こちらの宇宙に来るには、こちらの宇宙の秩序に合わせ、自分の姿を人間に近づける必要がある。妖魔は、2000年以前にも稀に来ており、妖魔とかかわりを持った者(とその子孫)も異世界の秩序=魔法が使える。ギゲルフ・リキュール(香津美の父)もそうした者の一人であり、香津美に邪界との扉を開く「鍵」としての能力を与えたとされる。2023年、頻発する妖魔事件に対し、ラリー・シャイアンは「Attacked Mystification Police Department(対妖魔用特殊警察、通称AMP―アンプ)」を結成し、これに対抗する。女性は「何も生み出さない戦いのなかでも次代に繋がる命を生み出せる」との思想から、AMPは女性だけで構成されている。AMPのメンバーはラリーに加えて、主人公・香津美・リキュール、キディ・フェニル、レビア・マーベリック、闇雲那魅、彩弧由貴の6人。彼女たちは各々が持つ特殊な能力を駆使し、妖魔に対抗する。
A.D.2028、未来都市TOKYO。完成間近の軌道エレベーター・スパイラスに異世界から侵入者・妖魔が出現、対妖魔特殊警察AMPが撃退に出動。だが、香津美・リキュールは闘いの中で、その妖魔が彼女の過去に関わりがあると知り、香津美は戦いの最中に己の過去を振り返る。
今回は、「軌道エレベーター・スパイラス事件」を中心に香津美リキュールが己の宿命に向き合い、AMPのメンバーとしての一歩を踏み出すまでを描くストーリーなので、香津美以外のメンバーがたいした活躍をしないけど、香津美が母の敵のルシファーフォークを倒す戦いを通して、己の宿命を受け入れAMPのメンバーとして覚醒する展開は、胸熱。
「サイレントメビウス」初心者でも、楽しめるアニメ映画。
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