愚か者

パーフェクションの愚か者のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクション(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

なかなかエッジの効いたお話。だけど、とりたてて話題にするほど突き抜けられなかった作品。

ネット配信作品の最大のポイントは、ネット上での評判やキャッチーさだ。一言のキャプションを添えられるような鋭いエッジは、多くの人に観られる要因のひとつといえる。無論、Netflixがそういった作品の作り方をしていないのは分かる。

この作品でいえば、肝になるのは巻き戻し演出をした二点だろう。物語を大きく転換させる場面だ。
第一のポイントでは、SF的な展開を想像させる場面を嫉妬に駆られて細工をした女が浮き彫りにされ、敵対関係を描いた。
第二のポイントでは、その敵対関係を包含した大きな対立関係を炙り出した。
ただ、第一と第二のポイントの間で観客は悟るわけである。この二人が敵対する意味がないと。つまり、二人がタッグを組むことは明白になったあたりで、これまで製作者に振り回されてきた観客にひとときの余裕が与えられてしまう。

この余裕の中で思ったことをここに正直に書き記す。
「切れた手首に武器を仕込んで敵を残らずぶっ殺すようなエッジが欲しいな」
である。
しかし、そのためにはそういった武器商人的な人物が足りない。ぶっ殺しまくる敵も足りない。

第一と第二のポイント間でここまで思いながら観進めていくと、弱ったおじさんに二人掛かりで深手を負いながら、ドラゴンボールみたいなセリフで息の根を止めたところで、そんな言い回し海外にあるのかと少し感心しながら、『Mr. タスク』みたいな感慨を残すラストへ。

やはり、エッジの研ぎ残しがあるのではと思った次第。
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