kuu

英雄都市のkuuのレビュー・感想・評価

英雄都市(2018年製作の映画)
3.5
『英雄都市』
原題롱 리브 더 킹: 목포 영웅./Long Live the King.
製作年2019年。上映時間118分。

『犯罪都市』のカン・ユンソン監督が、『江南ブルース』のキム・レウォン主演で描いた痛快アクション。

累計再生回数1億回を誇る韓国のWEBコミックを原作に、ヤクザのボスから政治家へと転身した男の戦いを描く。
共演にユン・ゲサン、あと、カメオ出演のマ・ドンソク出てましたヒァホウ。

巨大ヤクザ組織のボスである昔気質の熱血漢セチュルは、ひょんなことから知り合った女性弁護士ソヒョンに惹かれ、彼女に認めてもらうため心を入れ替えることを決意する。
ある日、セチュルはバス転落事故の救出劇によって市民のヒーローとなり、国会議員選挙に出馬することに。
しかし、ライバル候補者がセチュルと敵対するヤクザ組織と手を組んで選挙戦を邪魔してきて。。。

エンディングで、コントともとれる臭い演出と、流れる『キム・ドンリュル/愛するという言葉』という曲をオールキャストで歌うシーンは、本作随一の名場面となってるとのことですが個人的にはコレいる?!って感じかな。

今作品を観るまでは、真性・犯罪・ギャング映画やと勝手に思ってた。
似たようなタイトルの映画はたくさん観てきたし決めつけてたかな。
韓国の犯罪・ギャングスターが出る映画に妙に愛着を持っている。
ただ、似たような映画が頻繁に公開されるようになり、質も落ちてきたような気はしないではないが。
今作品はそないなギャング映画として見たら物足りなさはあるが、韓国ならではのライトなサクセスストーリーとしてならまずまずなんかなぁと。
本作品では、キム・レウォンの大画面復帰をはじめ、ウォン・ジナ、チン・ソンギュ、チェ・グィファが出演。
また、脇を固めるキャストも韓国作品を観てる方には知っている顔ぶれが多数見られると思います。
チンピラ を中心としたコメディ・アクションで、ストーリーそのものは、カン監督の前作『犯罪都市』のとは大きく異なっていると云って良いかな。
正直、今作品は冒頭のトーンの設定があまりうまくいっていないように感じます。
スタートから30分くらいまでは非常に歯切れが悪い。
でもまぁ、それが進むにつれて居場所を見つけていくんやけど。
主人公が罪のない人々の命を救うバス事故の後、プロットはトーンが変化し、その事件を境に個人的には面白くなっていきましたし、本来の色を見出すことができたんかなぁと。
居場所を見つけた後は、韓国作品ならではの面白さのある映画になってるかな。
バス事故そのものやアクションシーンとか、特殊効果は多少ドキドキもできたが感動するほどではなかったけど、ハリウッドの超大作でないことを考えりゃ、十分満足できるものでした。
サプライズ的なカメオが何人か登場し中でもマ・ドンソクが出てきたときは、俄ファンですが、個人的にアガリました。
登場するタイミングも良かったかな。 ただ、映画の始まりはヒヤヒヤするもんが期待できたけど。冒頭のユーモアとストーリーは大げさで、笑わせようとしすぎているのは否めない。
また、サスペンスにも挑もうと前のめりになりすぎてて、筋書きが深くなるにつれて良くなっていくが、結局のところ、退屈で始まり、退屈で終わってしまってる。
そうさせた一因は、いかに非現実的で予測可能であったかということかな。映画を暫く見ただけで、おそらく映画の結末が予想できる。
ストーリーは予想から外れることはなく、物語のどのような出来事にも驚かされることはなかったし。
もっと犯罪やギャングの要素が含まれていて、政治的な要素が少なければよかったかな。
また、サスペンスフルで厳粛な雰囲気があれば、より良い作品になったと思います。
kuu

kuu