くじら

マティアス&マキシムのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 初めて観たドラン監督作。映画館で観れてよかった。

感想
表現について
 何というかストーリーというよりこの映画の空間が見てて楽しかった。画面がすごくいいショットだったし監督が撮りたいものが伝わってくるような、そんな映像だった。道のショットとか皿のショットとかもすごく決まってた。鏡を使った表現も上手い。あとフィルムの雰囲気も鮮やかで時々ポツポツが入るのも好き。
 監督はマットの俳優さん撮るの好きなんだろうなって思った。泳がせたり走らせたり戸惑いや葛藤で悶々としてるのがすごく伝わってきた。友達たちの会話も賑やかで楽しかった。
 音楽もちょっとうるさいくらいかかっててもすごく良かった、音使い上手い。

マットとマックスについて
 あの映画の後からのマットの動揺が特に描かれていた。秋なのに遠泳したり仕事中もぼーっとしたり。あの植木鉢は何だったんだろう?ずっと一緒にいたのに突然マックスに対して抱いたこの感情は何だろうって戸惑っていた。マットがマックスに対して出発前パーティー忘れてたり逃避したり、でもタバコの火を消してケチってるのを陰から見て笑ってたり、かと思えばその後のパーティーで酷いことを言って痣について言及したり。かと思えば雨の中のロマンチックなキスシーン。マックスに対して恋のような感情を抱いてて、決定的に何かが変わってしまってるのに、それを受け入れて話そうと言うマックスを置いてその感情に背を向けるマット。
 マックスはマットの実家で子どもの頃の2人の絵を見る。マットにマットの父親に頼んでもらった推薦状を3週間前に届いていたのに渡されていなかったことを知って動揺するマックス。
 でも出発のために家から出るとそこにはマックスが笑って立ってたんだよな…2人でたくさん話し合ってくれ。話せなくてもお互いの間の感情を認めてあげてほしい。

 マックスがオーストラリアに行くのは母か原因で、その母の不安定さと母に対する怒りや諦め無力感などの描写が上手かった。
くじら

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