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音楽のYOKのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.8
絵のゆるさに惹かれて...出来心で...。
始まって直ぐの「マカロニ拳法」という興味しか惹かれない単語に脳みそやられた。

他校に殴り込みに行く3人のノリがゆるゆるでしかも徒歩で「まあ、一人で行くより3人で行ったほうが楽しい」なノリ。しかも結果場所知らんので行かん。ゆるすぎて草。こっからどうしてこの3人がバンド始めるん?の極み。

最初から最後まで「え?」ってなるストーリーと展開とキャラたちの言動なんだけど、絵力が強すぎて謎に満足度高く出来てるの、すごい。

実写をアニメに転換したかのような感覚に陥るし、色んな絵のタッチを多用しているので飽きさせてないし、色鉛筆やクレヨンで描いたかのようなゆるさが全体を占めてるのに、謎に力強さを見せてくるのでめっちゃ目引くの。

主人公のケンジがもう訳分からん。いや、どいつもこいつも訳分からんのだけど、森田くんのインパクト強すぎて...ある意味で森田くんの成長物語だった。

技術とか関係なくやってみたいモノをやってみて、それを楽しむって素敵なことだなあと思った。コードなんて関係なしにベンベン弦弾くの楽しそうで羨ましかった。

正直、映像の強さがなければ「なんでこれを実写化しようと思った!?」で終わってたんだけど、何故かこの緩さと凝った映像が不思議とマッチしていたお陰で助かった感強い。

普段のノリのときと音楽やる時の声がガラッと変わる感じとかキャラがドカンと変わる感じとかめっちゃ笑った。笑いながら困惑してたんだけど、何故だかその感覚すら面白かった。

ほかの映画では決して感じることが出来ない何かがあったわ。でも好き嫌いめっちゃ別れそうだし映像が凝ってるのなんて知ったこっちゃねえよ!ってなってしまったらハマれなそう。

かなり独特な作品だった。すごいもん見た。
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