昼行灯

死刑台のエレベーターの昼行灯のレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
3.7
最後の2つの殺人が1つのフィルムによって結末を迎えるのすごすぎ。このフィルムさえなければ不倫の事実は藪の中だったのに惜しすぎる😭男側はどう思ってるんだろう

男のエレベーターからの脱出劇にははらはらさせられた。上階までのちょっとの隙間から頑張れば出れそうな気もしたが。そのあと一歩で脱出できないことや、階下の暗闇に対する俯瞰ショットがラストを暗示している感じもあった。
一方で少年の犯罪への志向があんまり動機づけられてないなーという感じは。ブルジョワに対する焦燥感からの若気の至りなんだろうけど、女の子が可哀想。

マイルス・デイヴィスの音楽がいやにおしゃれで、泥沼でノワール調なのに軽やかさがあった。あと冒頭の切り返しショットとタイトルロールでは画面比率が違っていて、映画ということを意識させられた。ほかにヌーベルヴァーグ的表現を挙げるなら、車の走行シーンで全員がちゃんと走ってるところか。リアプロジェクションを使わないところに40年代との決別を感じる。それとマッチの火をライトとして使ったり、逆に超暗闇のシーンもあったり、キアロスクーロの使い方はフィルム・ノワール敬愛って感じ。
ただ、場面が変わるごとに挿入される雷のサウンドは面白いけどあまり効果的ではなかったと思う
昼行灯

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