丽遥さんの映画レビュー・感想・評価

丽遥

丽遥

牡丹燈籠(1968年製作の映画)

3.7

新三郎と寝てるお露の身体がガチ骸骨というよりかは骨が皮膚から浮き出てるって感じが新しい。理科室の標本みたいな骸骨だったらギャグだけど、骸骨と人間の狭間っていうのがまたアブジェクション。
あと足を隠すん
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青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

3.5

新聞社にあるウォーターサーバーめちゃ気になる笑そんな昔からあったんだ
犯人が唐突すぎて、もっと観客も一緒になって推理出来れば良かったのにと思う。まあサスペンスで推理したことないが✋
淡島千景的姉御肌友
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.5

うーん面白かったんだけど、何度も寝落ちして100分映画を見終わるのに2時間超えた、悲しみ😭アルファ60のボイスオーバーがすごい眠気を誘うんよね、、
話としては、非人間化してしまった女性を再人間化すると
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.7

ファム・ファタール映画だがその描かれ方にはあまりピンと来ず。やっぱり意図的な男への翻弄とか、仮装性に興味があるんだなあと。このジャンヌ・モローは無邪気で奔放で美しいだけでたぶらかそうとはしてなかった。>>続きを読む

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.8

フィルム・ノワールのスタイルを踏襲しつつも、実態はほぼコメディ。フィルム・ノワールの原型はフランスにあったはずなのに、アメリカを参照した結果、どちらでもないフィルム・ノワールが出来上がったのが面白い。>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.8

遂に、、!U-NEXTネ申
大人の事情は難しくてよく理解できないけど疎外感だけは確かにあって、かといって学校の友達と仲はいいけどお金持ちでやっぱり断絶を感じていて、でもそれを上手く言葉には出来なくて、
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追悼のざわめき(1988年製作の映画)

3.5

セックス出来なくてもがく苦しさ、セックスしても残る虚しさ。それらが破壊衝動に繋がってしまうのは性に対する後ろめたさ故に性の現実をなかったことにしたいからなのかな。男性の性衝動はその人の特性として描かれ>>続きを読む

セックス・チェック 第二の性(1968年製作の映画)

3.5

安田道代の睨みつける視線がよかった。全然笑わないし、初登場シーンのバスケの練習でのコーチに対する攻撃以外感情を感じない。ふたなりで被差別経験があるからこんな性格になった?と思わなくもない。

足のクロ
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マルサの女(1987年製作の映画)

3.8

マルサというお堅い男社会に身を投じた紅一点という役どころではあるけど、それを中年の宮本信子が演じてることで、お決まりの逆ハー感はなかったのかなと思う。
ちゃん付けで呼ばれてたり、女が来てくれて嬉しい的
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.8

ストップメイキングセンスのみんなで楽しむというグルーブ感を引き継ぎながらも、デヴィッドバーンの関心はより広く政治や人種までに及んでいた!皆同じグレーのスーツなのだけど、いやだからこそ、それぞれの体格の>>続きを読む

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)

3.8

ドグラ・マグラの構造って映画というメディアにめちゃ合ってるなと思わせられたDVDのインタビュー観たらロゴス中心主義の西洋に対抗するためにこのような語りの形式を選んだとも言ってて、それは同時に物語のコン>>続きを読む

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)

3.6

キャスト陣からして、浪漫三部作☝️水色がかった画面や水琴窟のような音楽(監修も三部作の人)、朴念仁な主人公の行動が常にほかの登場人物に把握されてるところなどまさに陽炎座。主人公が一心に串打ちするうちに>>続きを読む

天城越え(1983年製作の映画)

3.8

田中裕子ヤバすぎ~…妖艶おきゃん聖母おねいさん全部やっててすごすぎる まるで泉鏡花に出てくる女みたいでもあり、伏見直江に繋がるおきゃんヒロインだったとも思うわ。

その一方で、まあ泉鏡花でもそうなんだ
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天使の恍惚(1972年製作の映画)

3.7

学生運動のエネルギーと虚無両方を捉えた作品。マルクス主義に傾倒しながら革命を実行しようとするけど、革命したいだけで目的も必要もないから、残るのはやりどころのないエネルギーを持て余すためのセックスだけだ>>続きを読む

赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.6

ミケランジェロ・アントニオーニは話に起伏がなくてしんどいから90分以内にしてほしい🥺まあ精神に異常をきたしてる人の話だから論理的な話になるわけがないのだけど…

子供が足を悪くしたと嘘を言ったのは母親
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

3.6

冒頭からしてアイドルが処女喪失するシーンってなかなかすごいのでは…その後もガニ股で歩いたり安全日をカレンダーにマークしてたりしてやばい。処女キャラとしていじられてるから、そりゃそうなるわな…って感じ。>>続きを読む

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)

3.7

パンスケは人間だという肯定、今でも全然通じるし、当時だったら尚更だったのでは?女の胸や尻をことある事に触り、空気の読めない渥美清の役どころというかスター性はやっぱり苦手だったが、境遇の異なる3人の女が>>続きを読む

実録・阿部定(1975年製作の映画)

3.8

よかった。局部どうするのかなと思ったら上手く見せずに処理してた。ロマンポルノのなかでもずっとセックスしてる方、2人のセックスに合わせてカメラがずっと動き回るから、カメラと合わせて3Pしてるみたい。局部>>続きを読む

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.8

台詞が多い割に感情があまり伝わってこなくて、登場人物の本心は推測するしかない。けどそこに事件の真相があるという、、歴史と美術、神話の知識を総動員させられたら、すごい面白いんだろうな わたしは極東の若造>>続きを読む

素直な悪女(1956年製作の映画)

-

つまらなくてすごい

トランティニャンに往復ビンタされてバルドーが微笑んでたのは、本気で接してくれてありがとうっていう意味なんだと思う。自分の性的魅力に嫌気が差してるけど、それでも自分の性欲に屈して
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ZOO(1985年製作の映画)

3.8

zooという題名がラストに対する最大のネタバレ
美術史というかメディア史へのオマージュが面白かった。エロをギャグに変えてるところもすこ
フェルメールの絵の陰影を画面上で再現してみたり、タイムラプスで映
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女囚さそり 701号怨み節(1973年製作の映画)

3.7

おお、悪女だ。だがやっぱり復讐に動機づけられないと女性が男性を懲らしめることが出来ないのはなんなのか…お岩もお竜もさそりも男に対する復讐なんだよなあ🥹一旦弱い存在であったことをほのめかさないと、強い女>>続きを読む

白い恐怖(1945年製作の映画)

3.5

女性蔑視奴~🎶女医というか、インテリ女のステレオタイプ加減がすごい。あと、冒頭イングリッド・バーグマンが1人で立ってるショットと同僚男性医師の集団のフルショットがカットバックで撮られてて、男社会の雰囲>>続きを読む

痴人の愛(1934年製作の映画)

3.7

ベティ・デイヴィス大優勝。終盤のヒステリックに悪態をつく長い台詞は本当に凄みがあった。不良だけど嫌いになれない少女から、厚化粧になって物乞いをする女、ミイラのようになる最期まで20代で演じ分けるとは、>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.8

夢と映画はイメージの連関によって構成されている点で同じというのがよくわかる映画。分裂症?の女性の主観の映像だと判別すると同時に、映画文法にもかなっていると気づく。

電話が家に大量にあったり、血を拭く
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俺の拳銃は素早い(1954年製作の映画)

3.6

面白かったけど結局ライターに隠された暗号の意味はよく分からない🥹物語の筋が適当なのあるある🥹

全体的に日活ノワールの走りと言えるけど、スチュワーデスが殺される間際の影の演出は「最後の人」レベルの表現
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新宿アウトロー ぶっ飛ばせ(1970年製作の映画)

3.8

オールスター感やばい🤦‍♀️東京流れ者の渡哲也にツィゴイネルワイゼンの原田芳雄とタイプの真逆なアウトローが共闘してるのすこ からの硬派な成田三樹夫と三者三様のアウトローな生き様に満腹

ロマンポルノ
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快楽(1952年製作の映画)

3.8

なんて贅沢な映像なんだろう 短編映画なのに一つ一つの衣装や美術が一級ものすぎて😭しかもその絵画のような世界が長回しのカメラによって息づいている!

1話目の仮面を被った男。設定がトンデモ過ぎるのだけど
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

3.8

画面全体に漂う倦怠感と鬱屈とした雰囲気。数回にわたるセックスも快楽のためでなく、この気持ちをどこかへ押しやろうとすべく励んでいるようにしかみえなかった。セックスはするけど、どんどん女を振り切っていって>>続きを読む

暗黒の旅券(1959年製作の映画)

3.5

後半物語の筋がよく分からなくなってきて眠くなる。誰が味方で誰が敵なのかが反転するのが面白い

主人公が酔ってた時のことを思い出そうとするシーンの壺や妻のオーバーラップは面白かった。あと、主人公以外に誰
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港の乾杯 勝利をわが手に(1956年製作の映画)

3.5

清太郎時代。処女と娼婦の对としての兄弟。家族の描写は一切なくて、この構造が際立つ。こういう時兄は大抵ヤングケアラー。

過剰なオーバーラップに笑う。あさことギャングと女体と酩酊の目まぐるしいオーバーラ
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わるいやつら(1980年製作の映画)

3.8

最後森英恵出てきて草。この大御所感よ。槙木邑は馬里邑のことだな。森英恵って小津安二郎作品から日活まで色んな作品の衣装担当してるのに、クレジットされてないから記録に残ってないの痛すぎる😭

登場人物軒並
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イヴの総て(1950年製作の映画)

3.7

悪女と処女の反転が面白い。淡島千景的ポジションの女友達もGood
特にバースデーパーティでベティディヴィスとよく似たドレスを何食わぬ顔で着ていたイヴのグロさは異常。初めは観客によくある同一化現象なのか
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上海バンスキング(1984年製作の映画)

3.7

前に最初ちょろっと見たけど松坂慶子の役どころが男性の欲望そのものって感じがして拒否反応でて止めちゃったのを再見。結果、シリアスと娯楽が同居する盛りだくさんな内容でとっても満足。

ラスト松坂慶子が風間
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

すっごく美しい色彩と陰影と構図。冒頭の点滅するライトに照らされたトランティニャンの表情の虚しさたるや、、ラストの檻に入れられた彼の横顔を染める真っ赤なライトに至るまで、鮮やかな色彩がそれと裏腹な彼の生>>続きを読む

非常線の女(1933年製作の映画)

3.6

冒頭のショット群かっこよすぎる歩く2人を上空からロングで捉えた次に、タイピストたちの画面を埋めるような数と音に、一気に緊張感が高まる。レコード会社の犬のデザイン的な配置や、田中絹代が銃を出すリズム感、>>続きを読む

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