ごりぞう

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのごりぞうのレビュー・感想・評価

3.9
 前作の主演俳優を喪った部分を、どのように物語に落とし込むかが、最大の課題だった作品。
「喪失と再生」と言えば美しいが、そこに囚われたためにMCUのコミックらしさであるヒーローとヴィランの戦いという点においては見応えに欠ける感がある。
 ノミネートの要因が“亡き俳優へのオマージュ”であるなら、作品への厳しさよりも人情が勝っているということではないか?ハリウッドの合理主義が、思い起こすと9.11あたりからかなりエモーショナルになったような印象を受けてしまう。
 そんなことを思いながら観てしまった。

 政治的な視点で観るなら、カラーや民族の対立が存在し“それぞれの民”を強力な武力やテクノロジーによって国際社会から護るという結論をだした国家の話だ。その精神はアルカイダや北朝鮮と変わりがないわけだが、その矛盾にアメリカのファンは気がついているのだろうか?
ごりぞう

ごりぞう