ぷくたん

シン・ウルトラマンのぷくたんのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「シン・ウルトラマン」を観てきた!おもしろかった!釈迦の後頭部を鈍器のようなもので殴りつける感じの作品だった!

っていうのもね、この映画は人間性の大肯定なんだ。人間の一番の特徴である“推論”の、良い部分と悪い部分について描いている。推論が良く動くと危機の解決に役立つけど、悪く働くと妄想や執着に繋がるって感じ。

こうした推論の特徴を全部認めて、“まぁ、いいんじゃないの?”って言ってあげる映画だったから、「シン・ウルトラマン」はおもしろいんだ。

推論の良い部分を一言で言うと、“希望”になるだろうな。希望を称えることがテーマであるって意味でも、「シン・ウルトラマン」は空想特撮映画ってことなんだろうな。

今回は普通のスクリーンだったけど、IMAXでも観たいな。観れるかな。観れたらいいな。




2022年6月8日
シン・ウルトラマン観てきた!3回目の鑑賞だ!楽しかったーー!そして面白かったーー!

あのさ、この映画、“愛”って言葉が出てこないところがいいよね。なんていうか、どうもこの映画は“愛”ではなくて“好き”が主題のようだ。なんとなくなんだけど、僕にはそんなふうに伝わってきた。抽象的で作られた理念的な“愛”っていう概念を描くってよりも、この映画には、人が何かに愛着を抱いてしまったり執着してしまったりという、あの感じが詰まっているように思えるんだよな。つまり、この映画は“好き”についての映画だと感じたんだ。

愛着だとか執着だとかって、湧いてくるものだよね。因果関係の中で生じるというよりも、人それぞれであるし、なんだかわからないけど生じてしまう。だからこう、リピアは人類に興味を抱いて理解しようとするんだけど、“理解できない”という理解に至って、その理解できなさを受け入れるっていうのかな、そんなふうにリピアもまた、人類に愛着を抱くわけだ。

でさ、執着するってのはとても人間的なことだけど、結構めんどくさい特性だったりするよね。何かに執着すると、その執着された対象を大切にしたくなって、自縄自縛的に自分を苦しめてしまったり、相手を傷つけてしまったりするわけだ。だからまぁ、そういう執着ってのは括弧に入れて、自分自身をメタ的に見つめて、自分や相手を大切にする行動をとりましょうってのが健康的だと考えられたりするわけだ。まぁ、それはそれで必要なことではあるんだけど、ちょっと不自然な感じもするんだよなぁ。だってさ、人間って、デフォルトの状態で執着を抱くようにできているわけだから、そのデフォルト状態にマウントとって、執着から距離を置くってのは、なんつーか、脳髄のトリックのようなもんで、健康的だけど非人間的な感じがする。高尚だけどなんか変っていうのかなw生きやすくなるだろうけどつまんないっていうかw

でさ、この映画は“好き”が詰まっているんだよ。監督や総監修の人のウルトラマンに対する“好き”の気持ちや、“自己犠牲をしてでも子供を助けるべき”っていう信念に執着する人や、女性に対するフェティッシュな表現や、つらい時に酒やタバコに逃げる姿や、そして、そうした人類のめんどくさい特性に興味を抱いたリピアが人類を“好き”になってしまって、最終的にゾーフィがゾフィーになって“まぁ、いいんじゃねえの?”って肯定するっていうね、なんとも気持ちがいいラストだったよね。

こんなふうに人間の愛着や執着を肯定してくれる映画だったから、この映画は楽しいし面白かったんだ!