一人旅

ロー・タイドの一人旅のレビュー・感想・評価

ロー・タイド(2019年製作の映画)
4.0
ケビン・マクマリン監督作。

新鋭ケビン・マクマリンの長編初監督となったA24制作の青春映画で、窃盗を繰り返す若者たちが辿る残酷な運命を描きます。

ニュージャージーの海沿いの町を舞台に、都会から休暇でやってくる金持ちの家に忍び込んでは金品を窃盗して小遣い稼ぎをしている3人の高校生が、とある邸宅を物色した際に高価な金貨を偶然発見したことをきっかけに破滅の道を転がり落ちていく様子を描いたひと夏の“青春クライムサスペンス”となっています。

犯罪に手を染め後戻りできなくなった若者たちの友情の亀裂とその崩壊を、重大な秘密を握る者とそうでない者との心理的駆け引きと相剋を軸に不穏&スリリングに映し出した暗黒青春譚で、暴力的&激情的な仲間の一人に扮したアレックス・ニューステッターの切れ味鋭い存在が画面に緊張感を付与していますし、舞台となるニュージャージーの夏の海辺&森林の自然風景や人々で賑わう夜の遊園地と打ち上げ花火の情景が美しくも物悲しさに溢れています。
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